「天離(ざか)る 雛(ひな)にも月は 照れれども 妹ぞ遠くは 別れ来にける」
a-ma-za-ka-ru hi-na-ni-mo tsu-ki-ha te-re-re-do-mo i-mo-zo to-ku-ha wa-ka-re-ki-ni-ke-ru

Jusq'en ces campagnes
eloignees du ciel ls lune
certes brille aussi
mais c’est bien de m'amie
que m'en suis venu ceans


 この歌を作曲したいと思った時に、何故かズルズルと半音進行が浮かんで、何とも幽幻な歌になった。
最初に歌ったのは10年ぐらい前だったが、毎年9月に石舞台の明日香風舞台で開催される彼岸花祭り時だった。
 この歌を万葉朗唱したのだが、これは見事に失敗した。というのは理由があるのだ。
 プログラムの私達の前の組が、韓国の太鼓グループだった。その賑やかな響きは、舞台袖で出番を待つ私の頭の中が空白になって、途中で、半音程の調節が狂ってしまった。
  ヒュードロドロと登場する、夏の肝試しの太鼓のような音楽になってしまったのだ。個人の朗唱は無伴奏なので、自分が思いも寄らない歌になっても、他人に迷惑は掛けないが、終わって苦笑してしまった。其の次の年に、今度はコーラスの前が、太鼓だった。その時、私と音大で同期のテノールで、ピアノ科出身のH先生が、私と同様の状態になって、苦悩された。風土の違いから来る異国の音楽は、良くも悪くも影響が大きい。その後、私達の声が聞こえたのか、太鼓グループは毎回時間延長するので、プログラムの最後に組まれる様になった